毎日ばあちゃん

99才、お迎えが来たけど断ったばあちゃんの事。家族の事。自分の事。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

なんて素敵な話だろう

桜と月。今日はとっても暖かくて、夜になると今度はお月様が太陽みたいに明るくて、こんな日はなんとなくまっすぐ帰るのがもったいないなーって気持ちになる。そんなわけで仕事が終わって回り道して、大好きな場所へ。ここ、花びらが舞い散るようになるとさ…

今後のこと

ばあちゃんの見守り日記と言いつつ、ひたすらこれまでの経過というか思い出話というか、個人的思い入れを書き綴り、だからどうしたという内容なのだけれども、文字に起こす事で気持ちが整理されるってこともあるんだなぁと実感しています。ブログ、初めてみ…

vol.10 ごめんなさい・・・

ばあちゃんが入院して何度目かのお見舞いの時。 その日も私は1人で病室にいた。 ばあちゃんはベッドから窓の外をずっと見ている。 つぶらな瞳に何が映っているのか分からなかったけど、どこか遠く、ここではない向こう側の世界を見ているように思えた。 日…

vol.9 悲しいことばかりじゃない

ばあちゃんは反応薄くても意識も耳もはっきりしてるので、耳元での大声は不要だ。 なんせ2つ隣の患者さんのか細いオナラの音まで聞こえているくらいだ。うかうかひそひそ話しも出来ない。 でも、そういった個々の状況を全ての看護士さんが把握しているわけで…

vol.8 ばあちゃん不死鳥のごとく

さて、一時は弥勒菩薩のお迎えが来たばあちゃんだったが 入院から3カ月程して意識が完全に戻った。 体力をあまり消費したくない?ときはお見舞いの人がきてても目を開けない。 これは意識的。 そしてそんな時でも隣のベッドのおばあさんがおならしたりすると…

今日はお誕生日

ばあちゃんが無事に?元気に?99才を迎えることができた記念すべき春分の日の今日。お祝いに行った地元に住むいとこたちが、写真と動画を送って来てくれた。とっても元気そうでよかった( ;∀;) ありがとう。ありがとう。センテナリアンまであと1年。

vol.7  弥勒菩薩現る

ばあちゃんは自発呼吸出来ているものの意識は行ったり来たりという状況で、もう長くはないだろうという医師の診断だった。 だから、無理な延命はせずに点滴だけで 出来る限り自然な形で送り出そうという親の判断に私も賛成だった。 点滴で最低限の栄養が補給…

vol.6 入院

帰ってきてからも、胸のざわざわは続いていたので、ばあちゃん入院の知らせには、やっぱりか・・と思ってしまった。 もう長くは持たなそう、という事だった。 意識のあるうちに会っておかなきゃ。 そう思って急いで飛行機をとり、私はばあちゃんの元に向かっ…

vol.5  言ってはいけないこと

ばあちゃん脱走事件以降、何だか胸のそわそわした感じが抜けなかった。 そして正月休みも終わりに近づき、いよいよ今日が帰る日。ばあちゃんは今年初のデイサービスに出かけてしまった。今日が私の帰る日だよ、と告げられないままばあちゃんは出かけていった…

vol.4 ばあちゃん脱走

「9〇才、薬一服のまず元気です。」 体が丈夫というのがこの世代にとってはことのほか自慢のようだ。 「あらー、そのお歳で、お元気ですねー。」という類のことを言われるたびに、上機嫌でこう答えていたばあちゃん。 生きているだけでまるもうけ、いつでも…

vol.3  それから

母と祖父の死以降、自宅とその向かいに立つばあちゃんの家を行ったり来たりする生活が始まった。 まだおねしょをしがちだった私は、1人ばあちゃんの家に預けられることも多かった。 そうして母の死から2年ほどたったある日の日曜だった。 その日は日曜日で、…

vol.2 はじまり

さて、ばあちゃんの見守り日記を書くにあたり少しだけ、思い出話をしたいと思う。 私は、自分が2歳の時に産みの母親を亡くしている。「風邪をこじらせたかな?」と病院に行ったら末期の肺がんと申告され即入院。そこからわずか半年足らずでこの世を去ってし…

vol.1 「お迎えが来たけど断った」ばあちゃんのこと

1年前の春。98歳の誕生日前日だった。 前の日から急に食べ物が食べられなくなったばあちゃんは、そのまま意識が混濁。 呼びかけにも応えられなくなってそのまま病院に担ぎ込まれた。 「もう歳も歳だし、明日にも亡くなるかもしれない。延命ではなく点滴で…