vol.1 「お迎えが来たけど断った」ばあちゃんのこと
1年前の春。98歳の誕生日前日だった。
前の日から急に食べ物が食べられなくなったばあちゃんは、そのまま意識が混濁。
呼びかけにも応えられなくなってそのまま病院に担ぎ込まれた。
「もう歳も歳だし、明日にも亡くなるかもしれない。延命ではなく点滴で最後の時間を過ごしましょう」
病院の先生にそう言われ、私以外の家族みんながいよいよかと覚悟をした。
聞きつけた遠方の親族が次々に集まり、飛行機が取れずにやきもきしたが遅れて私も駆け付け、みんなそれぞれに、おそらく最後になるであろう時間をベッドに寄り添い過ごした。
ところが、事態は思いもよらない方向に動いた。
膠着状態であはあるが、なんとばあちゃんはそのまま点滴のみで3か月。
そうこうしているうちに意識も戻って、鼻から栄養を入れる延命に切り替えることになってからさらに9か月。
もうすぐ1年経とうとしている現在は、私の電話に応対できるまでに回復している。この1年、口から何も(液体すら)摂取していないというのに・・・
なんという生命力!!
話せるまでに快復した頃ばあちゃんが話してくれたところによると、「一度お迎えが来たが断った」のだそう。
なんともばあちゃんらしいエピソードだなと思ったし、のちに語ろうと思うがこれには私という存在が大きくかかわっているように思っている。
そんな状況にある今、ばあちゃんがこのままどこまでいけるのか
私はブログを綴りながら見守ってみようと思いたち、今これを書いている。
これは、まだ覚悟ができていない自分のためのブログだ。
と同時に、私と同じように、今現在近しい人の最後を見守っている人にとって、何か救いになったり支えになったりすることが書けたらいいな~・・なんて思ってもいる。
あわよくば、ばあちゃんが生きている間に書籍化なんてことになったらいいはなむけになるなと密にたくらんでもいる。(まーあり得ないのですが。)
内輪話・・読んで頂ける方がいたら幸いです。
2018.03.10